2013年3月28日木曜日

スローセックス実践講座7

スローセックス実践講座(31)"ギリギリ3ミリ手前"が絶妙じらし

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
スローセックス実践講座 今回は、“そけい部の愛撫(あいぶ)法”をレクチャーします。

 そけい部とはあまりなじみのない言葉かもしれませんが、女性器と骨盤のエッジを結んだ左右一対のV字型のゾーンのことで、わかりやすく言えば、パンティーラインの部分です。女性器にほど近いせいか、逆に灯台もと暗しで一般男性が愛撫をなおざりにしやすい個所ですが、男性の想像以上に感じやすい性感帯です。そしてそけい部は、性感帯として優秀なだけではなく、ここを丹念に愛撫することで、クリトリスの感度を格段に高めてくれます。本丸の手前にある重要拠点という認識をしっかり持って、愛撫法を学んでください。

 あおむけになった女性の右側に、男性が添い寝するようにポジションをとり、右手で愛撫する場合を想定して説明していきます。

 まず女性の左側のそけい部(男性から見て奥側)は、人差指、中指、薬指の3本で、ラインに沿ってスライドさせるようにアダムタッチします。スピードは秒速3センチ。触れるか触れないかの微細なタッチ圧を心掛けてください。漠然と愛撫するのではなく、恥骨部分の盛り上がった部分、いわゆる“土手”の凸面の角度に対して指腹の接触面が水平になるように、手の角度を微調整することが大事です。

 左側を何度かスライド愛撫したのち、右側のそけい部(男性から見て手前側)に移りますが、左から右への移動の際のポイントは、肌から指を離さないこと。クリトリスを指先が軽くかすめるようなイメージを持つことで、女性の興奮度が高まるのです。

 右側のそけい部の愛撫には、主に中指を使います。愛撫もスライド方式ではなく、中指をクリトリス方向に向かってまっすぐ押し込み、次に反対方向に引くようにして、こちらも何往復も愛撫してください。このときのポイントは、押し込むときは、クリトリスの本当にギリギリ手前までしっかりと指先を侵入させること。理想は指先がクリトリスに触れそうで触れない“ギリギリ3ミリ手前”の距離感です。この絶妙な距離感が、絶妙なじらし効果を生み出し、クリトリスの感度を何倍にも高めてくれるのです。

スローセックス実践講座(32)小陰唇への愛撫

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 一般男性の多くが、女性器愛撫(あいぶ)の際になおざりにしている小陰唇は、実は繊細でとても感度のいい性感帯です。このことは、女性のマスターベーションを観察するとよくわかります。成熟した大人の女性ほど、クリトリスに触れながら、両手を器用に使って小陰唇を丁寧に愛撫しているのです。つまり、小陰唇は女性がセックスの時に触ってほしい気持ちいいポイントなのです。

 ただ、大和撫子(なでしこ)たちは、女性が自ら男性に性的願望を伝えることを恥ずかしいと考えているため、実際の場面では、彼女たちの口から小陰唇に関する本心を聞くことはできません。この現実には、こうした女性たちの声なき声に、耳を傾けられるかどうかが、セックス初級者と上級者の分水嶺(ぶんすいれい)になるという教訓が隠されているのです。

 スローセックスにおいて、“小陰唇への愛撫”は、指によるクリトリス愛撫や、クンニリングスの伏線として欠かせないフィンガーテクニックです。必ず実践してください。

 小陰唇は、中指の第一関節から指の付け根までの“指腹全体”で、粘膜を優しくなでるように愛撫していきます。中指だけを、手のひらに対してほぼ垂直に曲げた形が、小陰唇愛撫のときの手の基本フォームです。このとき、中指が、付け根から指先まで一直線になっていることがポイントです。

 まず、中指の第一関節の指腹を、小陰唇の上部の粘膜に密着させ、そのまま小陰唇の割れ目の間に指を滑り込ませるようにして、指先が膣口に届くまで、ゆっくりと指を下げていきます。指を斜めに上げ下げすると、指腹がクリトリスに触れて、女性が痛みを覚える配があるため、指は必ず垂直方向に上下動させてください。指先が膣口にいたったら、今度は指を引き上げます。

 この愛撫を何度も繰り返しますが、小陰唇の粘膜に、指先から指の付け根まで、中指の指腹全体を密着させるようにして、ゆっくりとソフトタッチで小陰唇の粘膜を愛撫してください。膣口から愛液があふれてきたら、指先ですくって潤滑油代わりにしましょう。「もう、ベチョベチョだよ」など、あえてみだらな言葉で、女性の興奮をあおることで、性的感受性はさらに向上します。

スローセックス実践講座(33)腕と手のひらへの愛撫

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スローセックス実践講座 一般男性は、女性の感度レベルをオッパイとクリトリスの感度のみで測りがちです。だから、愛する妻や彼女のカラダにもかかわらず「オッパイとクリトリス以外の場所はほとんど触ったことがない」という男性が横行することになる。それはつまり、全身性感帯の女性のカラダの大部分が、“眠れる財宝”と化しているということです。

 これがジャンクセックスの正体です。対して、スローセックスは、女性の体を隅々までアダムタッチします。今まで男性に一度も触られていなかった部分の細胞に刺激が与えられることで、女性のカラダは、全身性感帯たる本来の能力が目覚めていくのです。

 最大のポイントは、ただ全身が感じるようになるだけでなく、性的感受性レベルが全体的に底上げされることで、乳首やクリトリスの感度が飛躍的に向上されるということ。簡単に言えば、イキやすいカラダになるのです。

 そこで今回は、一般男性がほとんど触っていない、“腕と手”の愛撫(あいぶ)法を解説します。
まずは“腕の外側”。図のように、肩口から指先までを、ひとつの細長い長方形に見立て、その長方形いっぱいに細長い楕円(だえん)形を描くようにアダムタッチします。具体的には、肩口をスタートラインにして、腕の下側を通って小指側まで行き、指先をぐるっと回って、腕の上側を通って肩に戻ってくる軌道です。アダムタッチによって性感脳が開かれた女性のカラダは、神経がないつめまでもが、触られると気持ちいい性感帯と化します。つめの先まで、しっかりと愛撫してください。

 手のひらも、アダムタッチを使えば、「まさかそんなところまで感じるなんて!」と女性自身が驚くほど気持ちいい場所に変わります。漠然と愛撫するのではなく、手のひらを、手のひら中央、指の付け根、小指側のエリア、親指側のエリアの4つのパーツに分解して、人差し指と中指の2本で、小さな楕円を描くように、ひとつひとつじっくりとアダムタッチしてください。女性が過去に経験したことのない丹念な愛撫は、単なるフィジカルな気持ち良さだけでなく、女性を感動させます。キーワードは“女心への愛撫”です。

スローセックス実践講座(34)脇の下への愛撫

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スローセックス実践講座 みなさん、女性の脇の下はお好きですか? 男性にとって女性の脇の下は、とても気になる部分です。最近のテレビCMを見ていると、美しい女性モデルさんが手をあげて、脇の下をお披露目してくれるシーンが増えたような気がします。商品とはまったく無関係なCMでも脇の下の露出が目立つのは、やはり男性のフェティシズムを意識したサービスカット的な意味合いを含んでのことなのでしょう。

 さて、セックスでの脇の下の扱いはどうか? まずわきの下は“くすぐったい部分”の代表選手です。と同時に、多くの女性にとって、ムダ毛処理や体臭などの問題から、好きな男性にまじまじとみられることが恥ずかしいパーツでもあり、愛撫(あいぶ)の対象外に追いやられてしまっています。とてもモッタイナイ話です。

 本コラムでもたびたび指摘しているとおり、「くすぐったい」は、「気持ちいい」の前兆です。放っておく手はありません。

 そこで今回は、本当はとてもすてきな性感帯である、脇の下の愛撫法をレクチャーします。脇の下の“取り扱い説明書”としてお読みください。

 まずは、脇の下を愛撫するときの基本姿勢から。図説のように、添い寝のポジションから、女性の左腕を頭の上に回し、その左手を男性は左手で握ってください。手のひら中央にある気を発するツボ、“労宮”をつなぐことで、性エネルギーの交流が促進されるのです。このとき、女性の上腕が耳に当たるまで引き付けましょう。“拘束感”と“羞恥(しゅうち)心”が、女性のM性を刺激し、官能レベルがアップします。

 愛撫は、二の腕の内側から始めます。ゾーンに楕円(だえん)形を描くように愛撫しましょう。次にわきの下は、中指と人さし指の2本で、円を描くようにクルクルと愛撫します。発汗しやすい場所なので、汗で指先が滑りにくいケースも多々ありますが、触れるか触れないかの超ソフトタッチを心掛けてください。

 愛撫の基本は、アダムタッチですが、女性がくすぐったがる場合は、焦らずに、手のひら全体を軽く押しつけてなでる“パームタッチ”を適時織り交ぜてください。

スローセックス実践講座(35)わき腹への愛撫

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スローセックス実践講座 先週の脇の下の愛撫(あいぶ)法に連動して、今回レクチャーするのは“脇腹攻略法”です。

 脇の下が“くすぐったいキング”とすれば、脇腹はさしずめ“くすぐったいクイーン”でしょうか。しかし再三ご指摘しているように、「くすぐたい」は、女性の脳がちゃんと刺激をキャッチしている証拠。触っても何も反応が返ってこない状態と比べれば、はるかに性感帯に転じるハードルが低い場所なのです。

 一般男性の多くは、「くすぐったい」におびえて、はなから及び腰になってしまいますが、私の場合は逆。なぜなら、性感帯の卵をはじめて孵化(ふか)させた男になれるまたとないチャンスが巡ってきたと考えるからです。

 脇腹の攻略は、リラックス効果の高い“パームタッチ”から始めます。手のひら中央のくぼみを利用して、手のひら全体が“吸盤”になったようなイメージで肌に密着させ、秒速10センチで楕円(だえん)を描くよう愛撫するのがパームタッチの基本。

 脇腹は、脇の下から大たい骨のジョイント部分までのエリアを、“ひとつの細長い長方形の面”としてとらえ、面全体に、“横長の楕円形”を描くようにマッサージ感覚で何周も愛撫してください。早ければ、数分間の愛撫で、女性に淡い官能が見られるようになります。

 ここが、アダムタッチへのスイッチポイント。5本の指先だけを肌に残し、手のひらを2センチ浮かせ、同時に、楕円運動の速度を秒速10センチから、秒速3センチに減速すれば、アダムタッチへの移行完了です。

 手の動きはパームタッチの時と同じ。長方形の面全体への楕円運動です。当スクールの初級クラスの受講生が犯しやすいミスは、楕円の範囲が小さくなったり、らせん運動で愛撫するケース。ちょこまかとした小さな動きは、「くすぐったい」を誘発する恐れがあるので不向きです。可能な限り大きな軌道を心掛けることが、脇腹への愛撫の鉄則となります。アダムタッチにスイッチした後で、また女性がくすぐったがるようなら、パームタッチに戻して再スタートしましょう。

 女性本人さえも、これまで性感帯だと気づいていなかった場所を開発できれば、男の株はうなぎ上り間違いなしです。


スローセックス実践講座6

スローセックス実践講座(26)―お尻への愛撫-側面、臀部、割れ目に分け丹念に

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スローセックス実践講座 老いも若きも男性は女性のお尻が大好きです。基本的に興味を示すパーツは性感帯が集中している部分。その点では、男性の本能もまんざら捨てたものではないのかもしれません。

 ちなみに、脳科学的な解析によれば、オッパイ好きよりもお尻好きの男性の方が、性的成熟度が上位とか。経験豊富な中高年の男性ならば、お尻派が多数を占めるのではないでしょうか。ただ、肝心の“お尻への愛撫(あいぶ)”テクニックとなると、「好きこそモノの上手なれ」ということわざは、当てはまらないようです。

 これは、当スクールで男性受講生から話を聞いてわかったことですが、女性のお尻を性的対象とはみても、性感帯として認識している男性が驚くほど少ないのです。それを裏付けるように、女性に性感帯のアンケートをとった場合、「お尻」という回答がほとんど見受けられません。

 男性受講生に普段通りの愛撫をしてもらうと、問題がはっきり浮き彫りになります。10人中9人までが、女性をあおむけの状態でしか愛撫をしないのです。うつぶせにして女性のカラダの背面まで愛撫するという知恵がないため、お尻は蚊帳の外状態。これではいけません。女性をリラックスさせるという意味でも、前戯はうつぶせから始められることをオススメします。

 さて、具体的にお尻の愛撫法ですが、隅々まで愛撫を施すために、お尻の側面、臀(でん)部、お尻の割れ目の3つのパーツに分けて、それぞれを丹念に愛撫してください。

 側面は、骨盤のエッジから大たい骨がジョイントしている部分。女性の足の間にポジションをとって、両手でお尻の左右を、ゆったりと楕円(だえん)を描くようにアダムタッチします。

 臀部は、お尻のおわん状の部分。手をお尻の形に合わせてやや丸みをつけて、円を描くように愛撫してください。

 最後の割れ目は、いわば女性器への裏口ルート。女性の心理として、表側からよりも裏側からの方が、羞恥(しゅうち)心や禁忌感が相乗的に作用して、いっそう興奮度が高まります。

 うつぶせの女性に少し脚を開いてもらい、手刀をお尻の割れ目にゆっくりと差し込むようにして、指先で谷間の側面をソフトに刺激します。ポイントはアナルに触れないようにギリギリの軌道を通ること。このとき、女性の反応をじっくり観察してみてください。アナル愛撫への関心度がチェックできます。

 お尻は見て楽しむだけじゃなく、ちゃんと触ってあげましょう。あっ、電車の中では絶対にダメですよ。

スローセックス実践講座(27)―優れた性感帯は

スローセックス実践講座 年齢と経験を重ね、女性を責めることに喜びを感じはじめた中高年世代でも、見落としている性感帯が“足”です。今、サラリーマンやOLの間でフットマッサージが静かなブームですが、足には無数のツボがあると同時に、数々の性感帯が隠れているのです。

 さて、アダムタッチは、女性のデリケートな性感にマッチした愛撫(あいぶ)法ですが、特に効果的な部位の3大要素というのがあります。

 それが、
(1)骨に近い部分(鎖骨や肩甲骨など)、
(2)カラダの裏側(背中やひざ裏など)、
(3)カーブのきつい部分(肩口から腕のラインなど)。
察しのいい読者ならもうおわかりのはず。足はこの3大要素をすべて含んでいるのです。

 まずは足の甲。足の甲全体を“小さな長方形”に見立てて、人さし指、中指、薬指の3本で、楕円(だえん)を描くように隅々まで愛撫してください。この時のポイントは、ただ足の甲だけを愛撫するのではなく、楕円軌道の中に“くるぶし”を含めること。
 くるぶしは直径4センチほどの小さな出っ張りですが、男性が思っている以上に優れた性感帯で、指先がくるぶしを通過することで、相乗的に女性の感受性を増幅させます。

“かかと”“土踏まず”“足の側面”は、皮膚が硬い部分なので、鈍感なイメージがあるかもしれません。しかし、ここもアダムタッチを使えば、超優秀な性感帯に変貌(へんぼう)します。人さし指と中指をメーンに楕円形を描くように愛撫します。強い愛撫ほど気持ちいいという間違いの毒がまわった脳を、優しく微弱な愛撫で、解毒してください。

 盲点なのが“足の指の付け根”。愛撫法は、人さし指と中指の2本の指先をスライドさせながら愛撫します。女性が気持ち良さそうな反応を示しはじめたら、今度は指を1本にして同じように愛撫を続けてください。狭い部分を愛撫するときは、指1本だけの方が、女性も責められているポイントに快感センサーを集中させることができるのです。「ゾクゾクするような快感が子宮にまで届きそうな感覚」と表現してくれた女性もいらっしゃいました。

 最後に裏技をひとつ。それが、“足の指のまたの愛撫”です。やり方はとても簡単。足の裏の方から、足の指の間に、グリグリと人さし指をねじ込むだけ。これをすべての足の指の間に対して繰り返し行います。ポイントは、自分の指をペニスに、女性の指またを膣に見立てて、挿入しているようなイメージを持つこと。まさにバーチャルな挿入感が、女性の理性を丸裸にさせる上級テクニックです。

 ぜひお試しください。

スローセックス実践講座(28)すぐに乳首に触れず、じらして感度アップ

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スローセックス実践講座 当スクールには20―60代までさまざまな世代の男性が訪れますが、オッパイへの執着は、若い世代より熟年世代の方が強いようです。亀の甲より年の功(巧)で、それなりのテクニックを期待するのですが、熟年男性のオッパイ愛撫(あいぶ)は、“乳離れ”にはほど遠い、間違いテクニックの巣窟(そうくつ)なのです。

 一般男性が、とかく多用するのが“もむ”という愛撫法です。しかし、乳房のふくらみを形成している脂肪には神経がないため、どんなにもみしだいても、その刺激はほとんど快感に転化されません。楽しんでいるのは男性だけ。大多数の女性は、気持ち良いどころか、「わしづかみにされても痛いだけ」、「もんでいるときのらんらんとした目が怖い」というのが、本音です。

 スクールでも、若いモデルさんの胸の谷間にずっと顔をうずめて、放心したかのように恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべる中高年をたまに見かけますが、もはやテクニックですらない「キショイ(気色悪い)」行為です。

 乳房で女性が感じるのは、表面の皮膚です。ここには神経が走っているので、アダムタッチによって、たちどころに高感度な性感帯に変貌(へんぼう)します。乳房の裾野をスタート地点にして、指先が肌に触れるか触れないかの超ソフトなタッチ圧で、渦巻き状の軌道を描きながら、頂上の一歩手前の乳輪に接近するように愛撫しましょう。

 ポイントはすぐに乳首に触れないこと。頂上手前まで登ったら下山して裾野から再スタート。この行程を何度も繰り返すことで、まったく触れていない乳首の感度が数倍以上に跳ね上がるのです。これがじらし効果です。

 乳首じらしでもっと効果的になのが、“乳輪への愛撫”です。人さし指と中指の2本で、“乳輪だけ”を丹念に愛撫します。ここでも絶対に乳首には触れてはいけません。乳輪をクルクルと数回愛撫したら、またスタート地点に戻る愛撫を3回以上は続けましょう。女性からの「お願い、もう触って」という懇願を、平然とスルーするくらいの大人の余裕が、単なるスケベオヤジを魅力的な熟年に脱皮させるのです。

 また乳房には、隠れた名店的性感帯が潜んでいます。それが、脇の下と乳首を結ぶ幅5センチのライン上の下にある“胸筋”です。有効なのはバイブレーション愛撫法で、中指と薬指を直角に曲げて、部位に対して垂直に指先でリズミカルな振動を与えてください。手の重みを利用して指先を1センチ程度押し込むように愛撫するのがコツです。

スローセックス実践講座(29)正しい技で「絶叫するほどの快感」

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sex20080328_01.jpg 女性の乳首が、クリトリスに次いで敏感な性感帯であることは、男性なら誰もがご存じのことでしょう。しかし、実は、これが落とし穴。感度が良いばっかりに、男性のテクニックが稚拙であっても、女性はそれなりに感じてしまうのです。それを見て男性のほうも、正解が出せたと錯覚して、テクニックが幼稚園レベルで止まってしまう。

 皮肉にも、乳首の優秀な性的感受性が、男性の“間違った自己流”を世にはびこらせる要因のひとつになっているのです。

 もしも“性感ミシュランガイド”があれば、乳首は間違いなく3つ星級の超一流性感帯です。乳首を愛撫(あいぶ)したとき、「アハ~ン」程度の“中の中”クラスの反応が返ってきたくらいで満足してはいけません。

 ちなみに私とセックスした女性のほとんどは、乳首で絶叫します。そして「こんなに乳首が気持ちいいなんて知りませんでした」と口をそろえます。断っておきますが、私は自慢話をしたいのではありません。絶叫するほどの快感こそ、乳首本来の能力なのです。

 私と一般男性の違いは、乳首に対する正しい知識と、正しい愛撫法を知っているかいないかだけなのです。今回は、間違いを正していきます。

 第1のポイントは、乳首に触れるタイミングの問題。一般男性の多くは、セックスが始まるやいなや乳首に触れてしまいますが、これがすでに間違いの始まり。タイミングが早すぎます。

 私は、当スクールの受講生には、「乳首愛撫までに最低でも20分以上はかけましょう」と指導しています。すると受講生たちは、「エッ、20分も乳首に触れないで、それまで何をすればいいんですか?」と、驚き戸惑いますが、これまでの初級編の講義を振り返ってください。顔、腰、背中、首筋、肩、足、太ももなど、女性の体は無数の性感帯であふれています。

 乳首到達までにやるべきことはいくらでもあります。なるべく乳首から遠いポイントから徐々に乳首に近づいていくように、じっくりと急所の外堀を埋めていく作業を楽しむことが、乳首の感受性を最大限まで引き出すこつなのです。

 第2はテクニックの問題。一般男性はとにかく吸ったりなめたりが大好きですが、これはまさに赤ちゃんレベルの自己満足テクニックです。オーラルがダメとはいいませんが、的確な愛撫の実践には、舌よりも圧倒的に器用な指のほうが有利であるという性感愛撫の基礎知識の欠如と言うほかありません。

 次回は、正しいフィンガーテクニックをご指南します。

スローセックス実践講座(30)触れる、たたく、こねる…9つのテク

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スローセックス実践講座 今回は9種類の乳首愛撫(あいぶ)フィンガーテクニックをご紹介。

 まずは、基本となる“タッチ愛撫”。乳首の先端を、中指の先端(つめの先)と指腹の中間地点で、そっと触れるように愛撫します。ポイントは超微弱な刺激であること。一般男性の愛撫は概して強すぎます。“微弱”から愛撫をスタートさせて、“強弱の幅”を広げることで、乳首の能力を最大限に引き出すことが可能となるのです。

 タッチ愛撫のコツは、親指を乳房の裾野に置いて“支点”を設けること。支点があることで、タッチ圧の調整が容易になると同時に、バラつきのない安定した刺激を供給できます。この手の形は、乳首愛撫の基本フォームですのでしっかりマスターしてください。

 2番目は、“タップ愛撫”。乳首の先端を中指でリズミカルにトントンと軽くたたくように愛撫します。もっとも敏感な、“先端の中心点”に触れることを意識して行ってください。

 3番目は“すり愛撫”。中指を小刻みに前後させて、手前に引くときに乳首の先端をするように愛撫します。愛撫のテンポは、1秒間に3回程度が理想的です。

 4番目は、“こね愛撫”。中指で乳首を根元から引き倒したり押し倒したりしてこねるように愛撫します。前後だけではなく、左右やななめなどあらゆる方向を試して、感じやすい角度を探ることも忘れずに。

 5番目はその発展形の“ロール愛撫”。中指で根元から倒した乳首を右回転運動でローリングさせます。

 6番目は、“つぶし愛撫”。親指と人さし指で、乳首が逆三角形状になるまで押しつぶすように圧迫します。軽い痛みが、女性のM性を引き出す愛撫法です。

 7番目はその発展形の“ひねり愛撫”。つぶしたまま、左右にひねるように愛撫してください。

 8番目は“ピンチ愛撫”。人さし指のつめ側と中指の指腹で、乳首の側面を挟んで上に引っ張り上げます。挟んだ乳首が自然に指から離れるまで、強い圧をかけ続けるのがポイント。

 9番目は、“バイブ愛撫”。乳首に対して垂直に立てた人さし指と中指を、人が駆けっこをしているときの足のように小刻みに前後させて、乳首全体に振動を与える最強の愛撫法です。ここまで的確な愛撫が実践できれば、ほとんどの女性は絶叫にいたるはずです。

 9種類のフィンガーテクニックを習得し、“吸う”“なめる”だけでは遭遇できなかった女性の性感に触れてください。


スローセックス実践講座5

スローセックス実践講座(21)―キスを楽しむ

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スローセックス実践講座 前回は、7種類ある“レインボーキス”のうち3色目までレクチャーしました。今回はその後半です。

 4色目は、“タンキス”。タンとは舌という意味で、互いの舌先と舌先をついばみあうライト感覚のキスです。この段階では、まだ舌を激しく絡めあわせてはいけません。ゲーム感覚で、舌と舌を遊ばせましょう。

 一見ベストに思える濃厚なキスは、実は諸刃の剣なのです。興奮は高まりますが、つい射精に突き進んでしまい、結果的に、性エネルギーの交流が不十分な状態でフィニッシュしてしまいがちだからです。

 それに、女性はセックスに美しさを求めます。いきなり舌をねじ込むキスは、前戯なしでペニスを挿入するような非紳士的な行為だと認識してください。

 5色目は、“ディープキス”。ここからは、“紳士的に”の限定を解除して、濃厚にみだらに舌を絡めあいましょう。

 6色目はレインボーキスの中で最もエロチックに女性の性感脳を刺激する“ペニスキス”です。一方は舌先をペニスに見立てて相手の口の中に挿入します。対する一方は口を膣に見立てて、相手の舌を唇でチュ~ッと締め付けるのです。要するに、口と舌で行うバーチャルセックス。これを男女が交互に行うことで、倒錯した興奮を呼び起こします。ペニスキスを楽しむコツは、舌を硬くしないこと。舌を出そうとするとつい舌先に力が入りがちですが、意識して牛レバーのようなトロ~リと柔らかい感触を心掛けてください。ペニスは硬い方がいいですが、ペニスキスのときの舌は柔らかいほど、なんとも言えないエロチックな官能を味わえるのです。

 レインボーキスの最終章、7色目は“バキュームキス”です。バキュームとは真空の意。まさに互いの口の中が真空状態になって、唇が真っ赤に腫れあがるほど、情熱的に吸引しあいましょう。

 今回は便宜上、7種類のキスを激しさの度合いの順に並べました。しかし実践では、マニュアル的にこの順番にこだわる必要はありません。キスの導入部においては“ソフトで紳士的に”の大原則を守っていただく必要がありますが、それ以外は、その場の状況に応じて、臨機応変に順序を入れ替えていただいて結構です。理想的なキスとは、一口で言えば“深い感性で味わう”キスです。その感性を育てるためには、何よりも“キスを楽しむ精神”が大切なのです。
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スローセックス実践講座(22)―顔は性感帯の宝庫

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スローセックス みなさんは、“顔は性感帯の宝庫”という事実をご存じでしょうか? 恐らく初めて耳にする方が大多数だと思います。以前、髪の毛への 愛撫(あいぶ)をレクチャーしました。髪の毛を優しくなでることは、ジャンクセックスで鈍化した女性の快感センサーを、ソフトな刺激にも感応する高感度なセンサーへチューニングさせるという、大きな目的があります。そして、髪の毛から“顔への愛撫”の移行は、スローセックスでは当然な愛撫の順序なのですが、これが実践できている男性は少数派です。

 道徳や倫理を横に置けば、男は、イイ女を見るとセックスしたい衝動に駆られる生き物です。「女優の○○に似てる」とか、「酔ったときにポッと色づくほおがたまらない」など、恋愛において異性の顔は、重要なファクターのひとつです。

 しかし、一般男性の多くは、いざセックスになると、イイ女の顔をほったらかしにしているのです。奇妙で矛盾した話ですが、これがセックスの実態です。

 “女性は全身が性感帯”という周知の情報が、全身の一部である“顔”への愛撫に反映されないのは、男性が、間違った固定観念に縛られ、「顔は感じない場所」と思い込んでしまっているからです。とんでもないことです。顔は超高感度な性感帯です。淡い快感をたゆたゆと楽しむというスローセックスの本質を理解する上でも、顔はもってこいの性感帯です。

 テクニックそのものは、特別難しいことはありません。人さし指、中指、薬指のうち、やりやすい2本の指を使って、優しくそっと女性の顔をなでてあげるだけでいいのです。

 ほおは、あごとほお骨と耳を結んでできる“三角形の面”を円を描くようにアダムタッチしてください。あごと耳を結ぶラインも敏感です。ここは細長い楕円(だえん)形を描くようにゆっくりと超ソフトタッチで愛撫していきましょう。ベッドで仰向けの場合は、女性の顔を横に向けるようにすると、愛撫できる範囲が広がり、隅々まで愛撫できるようになります。

 耳も、実に攻めがいのある性感帯です。耳はイラストに示した通り、各ツボが女性器と密接に連動しています。愛撫のコツは耳を女性器に見立てて、まさに女性器を愛撫するときと同じイメージを明確にもつこと。特にクリトリスに相当する部分は、人差指の先端でクルクルと小さな円を描くように優しくタッチしましょう。

 顔へのていねいで丹念な愛撫がもたらす、“男性に愛されている”という確かな実感は、女性の脳を絶妙に愛撫するのです。
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スローセックス実践講座(23)―首から鎖骨の醍醐味

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スローセックス実践講座 一般男性の多くが、オッパイに気をとられて見逃しがちなのが、顔とオッパイの中間地帯。すなわち“首から鎖骨”周辺です。このエリアには、スローセックスの醍醐(だいご)味である女性に“気持ちいい癒し”を与えるポイントが集中しています。

 まずは“首への愛撫(あいぶ)”から。利き手が右手の男性は、女性の左側に添い寝するポジションを取り、あおむけになった女性の顔を自分の方へ横に向けてください。こうすることで愛撫できる面積がぐっと広がります。首は、うなじと首筋(耳の裏側から鎖骨中央に斜めに下ろしたライン)をつないだ楕円(だえん)を、ゆったりと円を描くように愛撫していきます。

 エリアが狭い性感帯なので、使用する指は人さし指と中指の2本。ポジショニングの関係で、つい指先が立ってしまいがちな場所ですが、アダムタッチの基本フォームをしっかりとキープして、そろえた人さし指と中指の指腹が愛撫する面に対して平行になるように気をつけながら、触れるか触れないかの絶妙で繊細なタッチ圧を心掛けましょう。

 首の次は、“肩への愛撫”。ほとんど知られていませんが、肩の峰から少し背中側に下ったラインは、非常に優秀な性感帯です。うなじのふもとから肩口までのエリアを細長い楕円形を描くイメージで愛撫していきましょう。
 肩の次は、“鎖骨への愛撫”に移行します。鎖骨は、凹凸のある性感帯です。“くぼみ、鎖骨、鎖骨の下側”の3個所に分解することで、隅々まで愛撫を行き渡らせることができます。

 男性が頭の中でどれほど「愛してる!」と思っていても、漠然とした散漫な愛撫では、愛情は漠然としか女性には伝わらないということを肝に銘じましょう。そして、これまで、女性のオッパイばかりに目が行ってしまっていた男性は、愛撫しながら、奥さまの鎖骨をじっくり鑑賞してみてください。同じ鎖骨でも、ゴツゴツした男性のそれとはまったく異なる、女性ならではのしなやかな曲線と凹凸が織り成す渓谷の美しい景色に、男性は改めてハッと息をのむことでしょう。愛する女性であればなおさらです。

 毎日、家事や育児に追われる奥様を、ねぎらい、いとおしむ気持ちを指先に込めることで、アダムタッチは究極の指技へと昇華します。女性もまた、癒やされてリラックスした状態の中でこそ、男性から愛されていることを実感できるのです。そして、愛されているという実感が、性的な刺激と相まって“性感脳 ”が活性化され、女性は“愛されるために生まれてきた生命体”としての真価を徐々に発揮していくようになるのです。

スローセックス実践講座(24)―仙骨は“性エネルギー発電所”

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座 
スローセックス実践講座 スローセックスを学び、本物のセックステクニックを身につけた男性は、本人もびっくりするほど女性からモテるようになります。

 先日、私の著書の熱心な愛読者という30代の男性とお話しする機会がありました。彼は、20歳のころに、結婚を考えて交際していた女性に一方的にフラれたトラウマから女性恐怖症となり、20代のほとんどを女っ気なしで過ごしてきた自称アニメオタク。

 30代になり、このままではいけないと、ちまたのセックス本を読みあさってセックスの研究をしたものの成果は得られなかったと話します。そんな彼が、拙著『スローセックス実践入門』をたまたま書店で見つけたのが半年前。以来、彼がいうには「異常なほどのモテ期」に突入。灰色の20代から一転、現在はなんと「セックスフレンドが4人もできて、週末の時間調整が大変なんです」と、バラ色の30代を満喫しています。

 彼はこう話します。「どのセックス本にも、判で押したように“前戯を長く”とは書いてあるんですが、肝心な、具体的にどこをどのようにどれくらいの時間で愛撫(あいぶ)すればいいのか書かれていなかった」。

 今回は、彼が「女性に大好評です」と話してくれた、“腰への愛撫”をレクチャーします。

 腰には、尾てい骨と腰椎の間に“仙骨”と呼ばれる骨があります。初めて耳にされる方も多いと思いますが、仙骨は、いわば“性エネルギーの発電所” とでもいうべき重要な性感帯で、丹念に愛撫することで、大量の性エネルギーが造成蓄積されて、女性の興奮度と性感の感受性レベルをアップさせることができるのです。

 腰の愛撫に有効なのはアダムタッチです。女性を横抱きにして腰に手を回し、仙骨を意識しながら“腰全体に大きな楕円(だえん)形を描く”ように、少なくとも3分以上を目安に何周も愛撫してください。このとき市販のベビーパウダーを使用すると、指先と肌のタッチ感が滑らかになり、より効果的なアダムタッチを繰り出すことが可能になります。

 普段あまり触られ慣れていない部分なので、女性によっては、最初はくすぐったがるかもしれません。そんなときは、手のひら全体を肌に軽く押し付ける“パームタッチ”が有効です。数回パームタッチを行った後で、再度アダムタッチというように、反応を見ながら2つの愛撫法を併用して、焦らずゆっくりと、女性を感じやすいカラダに導いてあげましょう。

 彼は別れ際に、「やっぱり“コレ”は必需品ですよね」と、かばんを開けて、いつも持ち歩いているという自前のベビーパウダーを見せてくれました。「実は、このあと女性と会う約束をしているんです」。夜の街にさっそうと消えていく彼の背中がとても頼もしく見えました。

スローセックス実践講座(25)―下から上へ“とろ火”で

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スローセックス実践講座 瞬時に発火する男性の性欲に対して、女性のカラダは沸点に達するまでに時間がかかります。この“火”と“水”にたとえられる、性質も性能もまったく異なる2つの歯車をいかにかみ合わせるかが、セックスの醍醐(だいご)味であると同時に、難しさです。このことを、頭では理解できていても、ベッドの上で具体的な愛撫(あいぶ)テクニックとして実践できていない男性がいかに多いか。

 射精のことしか頭にない超ジャンクセックスの男性の中には、いきなりクリトリスを、それもゴシゴシと強く摩擦する不届き者がいますが、それは水の入ったやかんをバーナーで炙っているようなものです。火力がどれほど強烈でも、やかんの表面が焦げるだけで肝心の中身の水はなかなか沸騰しません。

 セックスを上達したいと言いながら、前戯をおろそかにしている男性には、私はいつも「お鍋をコトコト煮込むように女性を愛撫してあげましょう」とアドバイスしています。女性の性欲を沸騰させるためには、お鍋と同じで、火加減が決め手です。強火ではなく“とろ火”で時間をかけること。女性のゆったりした時間感覚に、愛撫をフィットさせることが、女性を美味しくいただく上で欠かせない愛撫メソッドとなるのです。

 背中は、“とろ火でコトコト”愛撫の効果を肌で感じることができる性感帯です。背中は、下から上に向かって背中全体に大きならせんを描くように愛撫します。下から上に愛撫する理由は、先週レクチャーした“腰(仙骨)の愛撫”で造成された性エネルギーを、女性の脳に上げてやることで、性感脳の活性化を促進するからです。

 背骨もスローセックスでは重要な性感帯です。使用する指は中指。尾てい骨を数回上下になでた後、秒速3センチのゆったりとした速度で、背骨の最上階まで指を進めましょう。一番上まで来たら、指を約3秒間静止させて性エネルギーをキープさせます。そして、いったん指を肌から離して、また尾てい骨に指を戻します。この愛撫を数回繰り返してください。

 また、一般には知られていませんが、肩甲骨も優れた性感帯です。“天使の羽”の外周をなぞるように、エッジに4本の指先を添わせるようにして、ゆっくりと右回りにアダムタッチしてください。

 男性が、これまでなおざりにしてきた背面の広大な性感エリアを、女性の時間感覚に合わせて、隅々まで丁寧に愛撫していくことで、女性の体内に性エネルギーが増幅されて、まだ触れていない乳首やクリトリスの“愛撫対効果”をもグンと高めることになるのです。

 女性の性メカニズムを正しく理解し、ひたすら胸とクリトリスだけに夢中になる初級セックスから一刻も早く卒業してください。



スローセックス実践講座4

スローセックス実践講座(16)夫婦仲とスキンシップ

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スローセックス実践講座 夫婦仲がうまくいっていない夫たちにほぼ共通するのは、奥様へのスキンシップが絶対的に不足している点です。照れくさい、不謹慎、いやらしい、子供の教育上…。スキンシップをしない夫たちは、いろいろともっともらしい理由をつけますが、私に言わせれば、単にスキンシップの重要性を認識していないだけです。

 そもそも女性は、スキンシップをされるのが好きな生命体だということ。まず、この基本的事実を認識してください。日本の多くの夫が、妻が求めるスキンシップを十分に与えられていないのは、「照れくさい」から“しない”のではなく、妻の性質に「無知」だから“できない” だけなのです。

 いかにスキンシップが優れた愛情表現であるかを再認識していただくべく、今回提言するのが、“日常的アダムタッチ”のすすめです。究極のフィンガーテクニックは、ベッドの上だけにとどまらず、ありとあらゆる日常シーンで、愛し合う男女に潤いをもたらすのです。

 最初に、アダムタッチのおさらいをしましょう。まず、手のひらを肌から水平に2センチ浮かせた位置から、5本の指先だけを肌の上にそっと置きます。これが基本フォームです。この基本フォームをキープしたまま、楕円(だえん)形を描くように手を動かします。このときに厳守しなければならない2大原則が、“指先が肌に触れるか触れないか”の超ソフトな「タッチ圧」と、“秒速3センチ”のじれったいほどゆったりした「スピード」です。

 さぁ、あとはもう、日常生活の中で、奥様を服の上から触るだけです。私など、妻がお茶を運んできてくれたとき、家の中ですれ違うとき、一緒にソファに座ってテレビを見ているとき、外で並んで歩くとき…、とにかく一緒にいるときは、お尻や腕や腰や背中を触りまくっています。本当に日常的なことです。

 しかし、考えてもみてください。こんなことを妻以外の女性にやったら完全にセクハラです。訴えられても文句は言えません。日常的なスキンシップは妻にしかできないのです。夫婦にしかできないことをしないのは、やはり、夫の無知と怠慢以外の何物でもないのです。

 スキンシップに「いやらしい」イメージを持っている男性がいますが、これも間違った固定観念です。日常的なアダムタッチに“セクシュアル”な要素は必要ありません。世の妻たちが夫に求めているものは、まさに夫からの“愛”そのものなのです。

 以上で、入門編の講義は終了です。次回からは「初級編」をお届けいたします。

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スローセックス実践講座(17)愛は気持ちいいセックスから

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スローセックス実践講座 みなさん、もう秘めはじめ(姫始め)はお済みですか? 明けましておめでとうございます。アダム徳永です。

 「一年の計は元旦にあり」と申しますが、私が掲げた今年の目標は、スローセックスの啓蒙(けいもう)を通じて、愛する日本を、愛で満ちあふれた国に変えていくことです。今、日本には圧倒的に愛が足りません。

 昨年選ばれた“今年の漢字”は「偽」でした。まさに昨年の世相を反映した漢字です。たとえば、食肉偽装に端を発した食品業界の不祥事から透けて見えるのは、食の安全うんぬん以前に、「愛」がスッポリと抜け落ちた企業体質です。

 政治に目をむければ“産む機械”に代表される閣僚たちの失言ラッシュにへきえきとし、安倍KY総理の突然の辞任に茫然(ぼうぜん)とし、自民と民主の大連立というウルトラCの見事なまでの着地失敗を目撃してなお、“政局”という名のコントに付き合わされ続けました。

 どんなに目をこらしても、私は彼らに「愛」を見つけることはできません。

 近年、少子化が社会問題化していく過程で、日本の内閣には、少子高齢化担当大臣が置かれるようになりました。恣意(しい)的な意図を持って、女性が大臣に任命されていますが、男女共同参画大臣を兼任する彼女たちがもっとも関心を持って取り組んでいる懸案は、“夫婦別姓”問題です。

 私は夫婦別姓の是非を論じる立場にはいません。けれども、夫婦のあり方や、愛の本質こそが問われてしかるべき今、それでも自由と平等のみ旗のもとに、権利の主張が最優先される現実と、愛に鈍感な政治家に、激しく絶望するのです。

 愛はものすごいパワーを持っています。しかし逆に、愛がなくなってしまうと、その人間の魂は、暴力的なスピードで腐敗していきます。誰も止めることができない、自然界の摂理としての“愛の法則”です。国民に目を向けない政治家も、偽装まみれの企業家も、本質的には騒音おばさんと同じなのです。

 日本人はセックスを語ることへのタブーが強すぎるあまり、セックスそのものを軽んじる傾向があります。もちろん、セックスが人の幸せのすべてとは言いません。けれども、セックスの本質的価値を知らずして、愛の本質には絶対にたどりつけないのです。愛の本質を知るためには、本当に気持ちいいセックスを経験することが一番の近道なのです。

 目標達成には、まず幸せの最小単位である“夫婦”が、セックスで本当の愛を学ぶことが大きな第一歩になると信じています。
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スローセックス実践講座(18)「くすぐったい」は「気持ちいい」の登山口

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スローセックス 今年からスタートした初級編では、より実践的なスローセックスのテクニックをご指南していきたいと思います。セックスに対する意識改革の一助になれば幸いです。

 さて皆さんは、前戯の最中に女性から「くすぐったい」と言われたことはありませんか? 初級クラスの受講生からも「習った通りにアダムタッチしているはずなのに、妻にくすぐったがられます。何がいけないのでしょうか?」という相談をしばしば受けます。

 自分の思い通りの反応が得られないと、女性の“感度”の問題にすり替えてしまう男性は少なくありませんが、そもそも「くすぐったい」を、ダメな反応のように思ってしまうことが大きな間違いです。まさに、皮膚への刺激が脳にちゃんと伝わっている証拠で、不感症どころか、高感度だからこその反応。「くすぐったい」は、「気持ちいい」の登山口なのです。それこそ、責任をもって官能の頂きを制覇しなければ男の名折れというものです。

 実践で活用していただきたいテクニックが、“パームタッチ”です。パームとは手のひらという意味で、文字通り手のひらを使った愛撫(あいぶ)法です。女性は興奮モードに至る前に必ずリラックスモードを経由します。パームタッチはリラックス効果に優れた愛撫法で、「くすぐったい」の処方箋(せん)として最適なのです。

 まず、手のひら全体を女性の肌にピタッと密着させます。密着感とやや強めのタッチ圧がポイントで、手のひら全体が“吸盤”になったようなイメージを持つといいでしょう。そして、秒速10センチのスピードで、ゆったりと大きな円を描くように、女性の背中や、おなかから脇腹の広い面積の部分をなでてください。変な下心を出して、中途半端に指先を使ってはいけません。パームタッチの本道はあくまでも女性のリラックスにあります。

 それでも、女性が十分にリラックスモードに入れば、パームタッチでも淡い官能を示してきます。ここが「くすぐったい」を「気持ちいい」に変換するチャンスタイム。アダムタッチに、スーッとシフトしましょう。しかし焦りは禁物。パームタッチを3回やって、アダムタッチ3回、そしてまたパームタッチという具合に、女性の反応を見ながら適宜織り交ぜていくのがベターです。

 日常生活の中でも、服の上から、奥様や彼女の腰や背中に日常的にパームタッチを施してあげましょう。“男性に触られること”に女性のカラダを慣らしておくことで、いざというとき、リラックスモードから興奮モードへの移行が、かなりスムーズになってきます。
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スローセックス実践講座(19)―髪の毛への愛撫で女性を敏感に

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スローセックス セックスで思うように女性を満足させられない男性に共通しているのは、「強い刺激ほど気持ちいい」という誤解です。“感じるのは皮膚ではなく脳である”という、もしもセックスの教科書があるとしたら1ページ目に書かれるべき基礎知識が抜け落ちているから、間違いだらけの強すぎる愛撫(あいぶ)がはびこっているのです。一般男性に再確認していただきたいのは、いわゆる「感度がいい」女性とは、「脳が感じやすい」女性であるということ。

 脳の感受性は、「味覚」を例に出すと説明が簡単です。濃い味付けの料理に慣れてしまうと、舌が鈍感になって、素材そのものの味がわからなくなりますよね。“強すぎる愛撫”イコール“濃い味付け”です。女性をイカそうと思うあまり、どんどん愛撫を強くしていくという行為は、ミシュランガイドの三つ星高級店の懐石料理に、マヨネーズやソースをドバドバとかけて食べているようなもので、感じさせるどころか、女性の性感帯をどんどん「味覚音痴」にさせる愚かな行為なのです。

 奥さまや彼女の感度に不満があるという男性は、女性の感度を疑う前に、まずご自分の愛撫が強すぎていないか点検してみてください。基礎知識として学んでいただきたいのは、女性を敏感なカラダに変えるために大切なのは、強いとは正反対の弱い刺激だということ。それも限りなく微弱な刺激が有効です。生身の女性の素材の味を堪能するには、「薄味=淡い官能」の重要性に目を向けることが肝要なのです。

 そこでオススメしたいのが、“髪の毛への愛撫”です。試しに、ご自分の髪の毛を柔らかいタッチでなでてみてください。髪の毛自体には神経が通っていませんが、毛根を通じて頭皮に優しい刺激が伝わってくるはずです。この感覚です。実は、これほどに微弱な刺激を、刺激としてキャッチすることの反復が、女性の脳の快感センサーを、微弱な刺激も“心地よい”と受信できる高感度モードにチューニングしていくのです。

 セックスの導入部で、手のひらを頭蓋骨(ずがいこつ)の形に合わせて、頭頂部から毛先まで、アダムタッチの要領で、ゆっくりと優しく繰り返しなでてあげましょう。

 そもそも愛する異性の髪の毛をなでたいと思うのは、本能です。かわいい犬や猫を見れば思わずなでたいと思います。そしてなでられた犬や猫は、愛情を感じて気持ちよさそうな表情を返してくれます。するとなでた方も幸せな気持ちになる。この自然の摂理と呼ぶべき幸福のメカニズムは、すべての男女の脳にインプットされているのです。


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スローセックス実践講座(20)―唇を3つのパートに分けて

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スローセックス 「夫とのセックスを心から楽しめない」、「セックスで体のしんに火がつかない」―そう訴える妻たちのセックスに共通するのは、夫が、“キスをおろそかにしている”ことです。思い当たるふしはございませんか?

 思春期のころ、もっと的確にいえば童貞時代の男性は、誰もが好きな女性とのキスに強烈なあこがれを抱いていたはずです。けれども、一般男性の多くは、“挿入→射精”という快楽を手にした途端、キスをおざなりにし始めるのです。

 陸上や競泳といったスポーツの世界ではスタートミスは致命的です。セックスも同じ。キスは男女の粘膜と粘膜が最初に触れ合い、性エネルギーの交流が始まる瞬間です。セックスで男性がもっとも心掛けるべきは、女性の性感脳を開花させることにあります。キスの手抜きは、取り返しのつかないスタートミスになるのです。

 そこで今回から2週にわたって、集中キス講座をお届けします。この講座でレクチャーするのは、私が“レインボーキス”と命名した、7種類のキステクニックです。いまいちど、キスの重要性を再確認して、理想的なセックスのスタートラインに立ってください。

 1色目は、“アダムキス”。これはアダムタッチのキスバージョンで、唇と唇が触れるか触れないかの絶妙なタッチ感覚を楽しむキスです。ゆっくりと本当にスローに唇を近づけ、ギリギリ触れないコンマ何ミリの所でストップ。唇は触れていなくても、お互いの体温や息遣いが性エネルギーの交流を始める絶妙な距離を楽しんでください。

 2色目は“ビギニングキス”です。ここでやっと唇と唇がちゃんと触れ合うわけですが、いきなり正面からブチューッといってはいけません。少なくとも唇を、上唇、下唇、口角(唇の両端)と3つのパーツにわけて、ムードとリラックスに軸足を置いて、ひとつひとつに思いのこもったソフトなキスをプレゼントしてあげましょう。

 3色目は“サウンドキス”。文字通り、わざとチュッという音を立て聴覚を刺激していきます。ポイントは下品にならないこと。セックスも佳境に入り、お互いにフルスロットル状態なら、あえてみだらな音を立てることもアリですが、女性は美しいものを好む生き物。特にセックスの導入部に行うキスはソフトで紳士的であることが大切です。一流ミュージシャンになったつもりで、心地よい音楽を奏でてください。
=次回に続く
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スローセックス実践講座3

スローセックス実践講座(11)「イク」より大切な「感じる」

スローセックス実践講座 イギリスのコンドームメーカー・デュレックス社が、昨年行った世界のセックス意識調査によれば、日本人のセックスの満足度はたったの15%で、26カ国中最下位でした。非常に残念な結果となった原因のひとつが、日本人の大多数が、「イク」ことをセックスの目的にしていることです。

「イク」ことに重心が傾きすぎたセックスは、どうしても、イケたら満足、イケなかったら不完全燃焼という短絡的なセックスに陥りやすいのです。

 対して、スローセックスの最大のテーマは、「感じる」を楽しむことです。

 本当に多くの男女が混同しているのですが、「イク」と「感じる」は、似て非なるものです。私のスクールでは、両者の違いを説明するとき、“水の入ったコップ”を例に出します。「感じる」とは、コップに水が注がれてたまっていっている状態。そして、「イク」とは、水面がコップの上まで来てコップから水があふれ出す瞬間のことです。

 “たまっている”と“あふれ出す”では、まったく現象が違うのです。

 食事(食欲)に置き換えれば、両者の違いがもっと明確にイメージできます。イク=「満腹」で、感じる=「味わい」です。若いころなら、おなかが膨れることが何よりも重要だった食の価値基準が、年齢を重ねるにつれて、量は少なくてもいいから美味しいものを数多く食べたい、という風に変化してきますよね。実は、セックスも食生活同様に、量から質へ変化していかなければ、年齢に応じた満足度は得られないのです。

 過去の射精を思い返してみてください。同じ射精でも、“満足のいく射精”もあれば、“残念な射精”もありませんか?

 この快感の差こそ、射精の寸前にコップにたまっている水量の差に他なりません。男性が、女性をイカせたくてもイカせられなかったのも、多くの女性がセックスの現状に不満の声をあげるのも、男性が、女性のコップに「感じる水」を満足にためてあげられなかったからです。

 スローセックスとは、愛する男女が時間を忘れて“感じる”を楽しむことで、性的エネルギーの総量を限界まで高めていくセックスです。自然と、セックスにかける時間も、2時間、3時間は当たり前の世界になります。当然、性的エネルギーはコップに並々とたまることになり、自然と爆発現象に至るのです。

 イクは「目的」ではなく、セックスの醍醐味である、感じるを楽しんだ2人へのご褒美という「結果」であると心得てください。

スローセックス実践講座(12)“ねちっこさ”と“唾液”の使い方

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スローセックス実践講座 最近は、自ら「オヤジ好き」を公言する若い女性が少なくありません。昔から年上の男性にひかれる女性、いわゆるファザコン気質の女性というのはいました。それが今は、ニートやフリーターという生き方の一般化が進む中で、同世代の男性に経済的な面でも精神的な面でも頼りなさを感じる女性たちの受け皿として、一躍オヤジ世代がカレシ候補として浮上してきたのです。

 社会学的な分析をするならば、援助交際ブームを経験して、オヤジへの抵抗が減少している社会背景の中で、格差社会の反動として、若い女性たちの浮動票がオヤジに流れている状況であると考えられます。この千載一遇のチャンス(?)を生かすも殺すもあなた次第。ただの足長おじさんにならないためには、ベッドの上でも若い女性の期待に応えてあげる必要があります。

 そこで今回検証したいのが、いわゆる“オヤジテクニック”。オヤジテクニックから連想される言葉に、“ねちっこさ”があります。若い男性たちは、ともすれば、勢いと回復力にまかせて、ピストン一辺倒の淡泊で短絡的なセックスになりがちです。これは、本来濃密でエロチックな行為であるセックスとはかけ離れたものです。だから女性は満足できない。

 ここに中高年世代が付け入るすきがあるのですが、肝心の中高年が、“ねちっこさ”を取り違えていることが多々見受けられます。

 最大の間違いは“唾液(だえき)”の使い方です。例えばキスのとき、お互いに十分に盛り上がって、自然と相互の唾液が口の中で混ざり合うのならいいのですが、キスの序盤から、自分の唾液を女性に逆流させる男性がとても多い。耳をなめるとき、耳の穴の中に唾液が入ってくるほど、耳を唾液でベチャベチャにするなど最悪のパターンです。

 唾液の量が多いほどエロチックだと考えるのは完全なる男性の一方通行で、多すぎる唾液はほとんどの女性にとって気持ち悪い液体でしかありません。女性という生き物は、特にセックスの序盤戦は、ウソでもいいから“美しく愛されたい”のです。

 せっかく、この男性なら「抱かれてもいい」と盛り上がった感情も、たばことお酒の入り交じった臭い唾液が、一瞬にしてかき消してしまいます。この価値観の違いを、理解しなければ、女性が求める本当に濃密でエロチックな行為には到達できないのです。

 唾液はわざと出すものではなく、自然と出てくる唾液をあえてセーブするくらいの紳士的配慮を持つことが、本当のオヤジテクニックだと心得ましょう。
(2007.11.30紙面掲載)

スローセックス実践講座(13)絶対的な“官能美”  

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 “美人”の基準は、時代やお国柄によっても多種多様です。太っていればいるほど美しいとされる国もあれば、首が長いほど美しいという人々もいる。さしずめ今の日本で美人とされるのは、小顔で胸が大きくウエストがくびれている女性ということになるのでしょうか? しかしこのような基準は、あくまでも、“表面的な美”に過ぎません。

 多くの人々が気付いていませんが、実は、国や時代の流れにも左右されることのない、絶対的な美の基準というものが存在しているのです。それが、女性の“官能美”です。

 なぜ知る人が少ないのか? 理由は簡単。男性が、女性を官能させるための知識と技術を持ち合わせていないからです。女性の裸体が美しいということは、多くの芸術家が裸婦をモチーフにして美を追い求めてきたように、誰もが認めるところです。女性の裸体は男性を魅了してやみません。けれども、官能美は、外見的な美醜とは全く別の所にあると言っていい。

 ファッションモデルのような素晴らしいボディーの持ち主とセックスをしたとしても、その女性がベッドの上でマグロ状態なら、いとおしいとは思えなくなってくるはずです。

 官能とは、いわゆる“イク”という現象ともニュアンスが異なります。「ウッ」という程度の絶頂を女性に与えることは、ある程度の経験を積めばそれほど難しいことではありません。官能とは、瞬間的なものではないのです。感じている状態が継続される中で、男性の愛のエネルギーと女性の愛のエネルギーが複雑に絡み合い、女性の美が内面的な部分まで含めて発酵熟成されて変質していく様子が、刻一刻と出現する状態のことです。

 目は潤み、ほおの紅潮が紅葉するように全身に広がり、あえぎ声を漏らし、下腹部は絶えず硬直と弛緩(しかん)を繰り返し、全身をけいれんさせて、身をくねらせる…。想像するだけでも美しいとは思いませんか?

 多くの男性が女性の官能美に触れることができないのは、己の性欲を満たすことがセックスの第一目的になっているからです。女性を官能させる唯一のメソッドは、女性を愛して愛して愛し抜くことです。そのためには、射精欲から一歩距離を取って、自分のためではなく、女性を喜ばせるためにセックスをするという意識が重要なのです。一度でも女性の官能美に触れることができれば、セックスの価値観そのものが、ガラリとかわってくるはずです。
(2007.12.07紙面掲載)

スローセックス実践講座(14)女性への喜びの基本は「超ソフトに」

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スローセックス実践講座 スローセックス初心者に、「スローセックスとはどんなセックスですか?」とたずねられたとき、私は「ずっと前戯が続くようなセックスですよ」と答えるようにしています。

 しかし、この答えだけでスローセックスを理解してくれる人はあまり多くありません。ほとんどの人が、「それで挿入後はどうしたらいいのでしょうか?」と続けてくる。

 これはもうセックスに対する価値観の違い、という以外にないのですが、私にとってセックスは、最初から最後まで女性を愛し続ける行為です。それはつまり、女性をずっと感じさせてあげるということです。

 女性を感じさせるメソッドとは、女性の全身にちりばめられた性感帯のすべてを、隅々まで丹念に精魂込めて優しく愛撫し続けることです。

 女性の膣は、説明を待つまでもなく性感帯の宝庫です。ですから私はメソッドに従い、他の性感帯同様に、ゆったりと時間をかけて丹念に愛撫を続けるのです。

 しかるに、「挿入後は?」に対する私の答えは、「交接とは“ペニスによる膣への愛撫”です」となります。しかし、この段階でも、納得してひざを打ってくれる人は3割未満です。

 一般男性の多くは、セックスは、キスしてちょっと前戯があって、フェラチオしてもらってから挿入してピストン運動して射精したら終わりだと思っている。15分の前戯に5分の挿入。アベレージ20分の、男性本位の射精行動。このようなジャンクセックスで、女性がセックスの本当の喜びを味わえるはずがありません。

 「挿入されても気持ち良くない」「一度も膣でイッたことがない」という女性にとって、挿入に対する意識は、男性が射精するまでの時間「膣を貸してあげている」という感覚です。

 “AVを教科書にする愚”を体現する一般男性は、挿入するやいなや、猛烈な勢いでピストン運動を始めます。今流行の脳内メーカーで例えるなら、男性の脳が“射精”の二文字で埋め尽くされている状態。女性が“愛”を感じられなくて当然です。「摩擦は激しいほど快感も大きい」というのも、大きな誤解です。

 愛撫の基本は、“超ソフトに”です。女性の性感帯たる膣もその例外ではありません。ペニスで超ソフトに、膣内をくまなく精魂込めて愛撫してあげてください。交接の意識を、射精のための摩擦から“膣への愛撫”にシフトするだけで、あなたのセックスに対する女性の評価は、グンとアップするはずです。

スローセックス実践講座(15)男も受け身を楽しもう

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 スクールのアンケート調査によれば、一般男性が前戯にかける平均時間は約15分でした。これは圧倒的に短かすぎます。全身に性感帯を持つ女性がセックスで本当の喜びを享受するためには、全身の性感帯を丹念に隅々まで愛撫してあげる必要があります。

 私は、女性を責める喜びを知らない男性受講生には、「最初は30分を目標にしてください」と指導しています。スローセックスは、単に「長い時間するセックス」をさすものではありませんが、ジャンクセックスから脱出するステップとして、前戯の時間延長は有効です。

 ところで、中高年の男性は、相対的に、若い男性と比べると“責め好き”な方が多いように思います。これ自体は結構なことなのですが、落とし穴もあります。「男は責めで、女は受け身」という旧態依然とした固定概念に縛られて、女性から十分に愛撫を受けていない男性がとても多いのです。

 セックスの醍醐味は、“相互愛撫・相互官能”です。お互いにお互いを好きなだけ愛撫して、時間の許す限り快感をむさぼりあうセックス。どうですか、想像するだけでも、とてもエロチックで気持ちよさそうな行為だとは思いませんか? 

 その理想形を実現するためには、ペニスだけではなく、男性も女性から十分に全身を愛撫してもらって“受け身の喜び”を知ることがとても大切なのです。

 多少、受け身に理解のある男性でも、自分の性感帯は、ペニス以外では、せいぜい乳首くらいだと思い込んでしまっている。とてもモッタイナイ話です。確かに、女性の性感レベルと比較にはなりませんが、男性も全身が感じるポテンシャルを秘めています。

 さて、重要なのはここからです。愛撫で相手を“感じさせる”ということは、相手に“愛のエネルギーを与える”ことです。物理的な刺激だけではなく、愛に心が感応するのです。これがセックスの本質です。だから気持ちいいし、幸せな気持ちになれる。そしてセックスで得られる快感は、「愛のエネルギー」の総量に比例するということ。私の言う“相互愛撫”とは、愛のエネルギーのキャッチボールのようなものだとイメージしてください。

 このキャッチボールを相互に繰り返すことで、愛のエネルギーは増幅され、興奮度が高まり、感じやすくなります。互いの感じる姿を見てさらに愛のエネルギーが増幅され…。この好循環が、果てしない官能の世界へ、男女を誘うのです。

 男性のみなさん、もっと受け身を楽しみましょう!

スローセックス実践講座2

スローセックス実践講座(6)1.5センチ奥の究極の性感帯

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スローセックス 前回、Gスポット愛撫法を伝授しましたが、Gスポット愛撫をマスターできるようになったら、ぜひとも次にチャレンジしていただきたいのが、私が発見した“アダムGスポット”(以下AG)です。場所は、Gスポットの“1・5センチ奥”にあります。

 距離にしてわずか1・5センチの違いですが、女性に与える快感は、Gスポットの比ではありません。AGの快感を一言で表すなら、“予測不能”の快感です。理性が吹き飛び、愛撫を受けている女性自身、自分のカラダがどこに行ってしまうのかコントロールできない、いわば魔球ナックルボールのごとき究極の性感帯なのです。

 Gスポット愛撫のおさらいも兼ねて、AGの探し方と愛撫法をレクチャーしましょう。

 (1)仰向けの女性に、手のひらを上に向けて人さし指と中指をまっすぐにそろえて、膣に平行にゆっくりと挿入する。
 (2)指が根本まで入ったら、指の第2関節を直角に折り曲げて恥骨に指腹を押し当てます。この時、指腹が当たっている部分が、従来のGスポットです。
 (3)そこから、指腹を恥骨に沿わせて滑らせるように、さらに「1・5センチ奥」に侵入させた部分がAGです。
 (4)愛撫の基本は、Gスポットと同じく“恥骨へのバイブレーション”です。指腹で圧迫して離す“オンオフ運動”を行います。ただし、愛撫ポイントが1・5センチ奥なので、指先を振幅させる支点を、指の第2関節から第3関節にシフトさせてください。

 はっきり言って、AG愛撫は高難易度なテクニックです。ちなみに、私のスクールの男性受講生の成績を発表しますと、受講1回目でピタッと場所を当てられる確率は、わずか2割弱。ちなみに従来のGスポットが5割強ですから、いかに難しいかわかってもらえると思います。膣壁でビッチリと密閉された目に見えない膣内では、なかなか1・5センチの距離感がつかめない、というのが一番の原因です。そんなとき、おすすめしているのが、自主トレです。

 利き手と反対の手で握りこぶしを作って、利き手をこぶしの下側から回します。拳の手の甲を“恥骨”に見立てて指を当てて、指が1・5センチ進む感覚を養うのです。何も障害物のないところでこの動きがマスターできなければ、実践でのAG攻略はほぼ不可能です。

 けれども、高難易度なテクニックだからこそ、身につけたら、間違いなく女性は貴方のとりこになるでしょう。最終的に技に磨きをかけていくのは実践の積み重ねですが、自主トレの有無が、明暗を大きくわけるのです。

スローセックス実践講座(7)“会話”こそが和合秘術

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
スローセックス実践講座  “話せばわかる”という言葉がありますが、セックスに関する諸問題は、まさに話せばわかることだらけです。裏を返せば、恥ずかしがったり(羞恥心)、自信がないのに見栄を張ったり(虚栄心)、そんなことを言ったら相手に嫌われると勝手に思いこんだり(禁忌観)して、自分の気持ちを正直に言葉で伝えないから、本当は 些細(ささい)な問題が、自分と相手を苦しめ、以前は確実に存在していたはずの愛さえ揺らいでしまうほどに、問題を深刻化させてしまうのです。

 少し横道にずれますが、すこぶるテクニシャンの風俗嬢に、「あなたの彼は幸せ者だね」と聞くと、彼女たちは決まって「プライベートでは絶対に技は使わないんですよ。だって、風俗で働いてることがバレちゃうもん」と言います。

 これが、彼や親に今の職場がバレることを最大の懸案事項とする彼女たちの、危機管理の一環であることはわかります。しかし一方で私は、とてももったいないことだと思うのです。パートナーとの信頼と、ほんの少しの会話力があれば、“うそも方便”で、彼女たちの優れた能力を私性活で生かす道もあると思うのです。

 この逆が、過半数の一般女性が日常的に行っている“イッたフリ”です。彼女たちは、イッたフリをする理由を「男性を傷つけないため」と言います。確かに短期的には女性の優しさといえるでしょう。しかし、中長期的に見たとき、イッたフリは問題の先送りでしかありません。奥さんや彼女が実はイッていなかったという事実を知るのは男性にとってとても残酷なことですが、現実を受け止めることからすべては始まるのです。

 日本人のセックスに一番足りないものが、“会話”です。日本はセックス先進国であるフランスなどと比べ、公の場でセックスの話をすることはまだまだタブーであり、平気でセックスの話をする人は“非常識で低俗な人間”という 烙印(らくいん)を押されます。

 しかし、こうした日本の風土や文化とは別次元で、夫婦やカップルが私的な場所でまじめにセックスの話をすることは、とても大切なことです。そして、私が言うまでもなく、ほとんどの日本人は本当はちゃんと話したいと思っているはずです。

 でも、話したいけど話せない…。羞恥心、虚栄心、禁忌観といった目には見えないハードルを、夫婦で手をつないでエイッと乗り越えてください。その時こそ、男性がリーダーシップを発揮すべき時です。“会話”こそが、夫婦和合の究極の秘術なのですから。

スローセックス実践講座(8)女性が全身性感帯である理由

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スローセックス実践講座 女性は“全身が性感帯である”というのは、一般的によく知られている事実です。ところが現実には、女性のカラダのどこを触っても“打てば響くように”官能する奥さんや彼女を見たことがある男性は、極めて少数派です。なぜこのような矛盾が起きるのでしょうか? その原因の1つは、男性が、女性が全身性感帯である本当の理由を知らないからです。

 例えば、乳児期の赤ちゃんが、まだ面白いという感情が芽生えていないにもかかわらず、親の顔をじっと見つめながらキャッキャと笑うのは、まだ自分の力では生きていけない赤ちゃんが、親に育児放棄をさせないために備わっている本能です。

 例えば、鳥類のオスがメスよりも色彩が派手なのはメスの気をひくためです。このように、生きとし生けるものすべてに、その姿形や習性や行動パターンには、愛をキーワードとした生命を維持するための理由が存在しているのです。

 では、女性が全身性感帯である理由は何か? それは、女性は“愛されるために生まれてきた生命体”だということです。

 経験豊富な中高年の皆さんなら、多少なりとも女性を感じさせた経験がおありだと思います。女性が官能する姿を見たとき、どんな感情が芽生えましたか? きっと、かわいい、美しい、いとおしいという感情に支配されたはずです。男性の心を支配すること、これこそすべての女性に生まれながらにしてインプットされている、男性から愛を受けるための能力なのです。

 真に官能モードに入った女性は、文字通り全身が感じます。経験のない男性には信じられないかもしれませんが、神経が通っていないはずの、髪の毛や、つめまでもが、性感帯と化すのです。女性のカラダは男性の本当の愛を受信したとき、全身を武器に変えて男性をとりこにするように作られているのです。

 一般男性は、女性の性的感受性をさして、「感度がいい」とか「感度が悪い」などと表現しますが、セックスの時の反応のよしあしを女性のせいだと考えていることが、そもそもの間違いなのです。世の中に感度の悪い女性など存在しません。

 もし奥さんや彼女の反応が薄いとしたら、その原因は男性にあるのです。目先の快楽や、AVや風俗のモノマネ的セックスに走って、“愛されるために生まれてきた生命体”をちゃんと愛していないから、女性は本来の能力を発揮できないのです。

 女性を感じさせようと新たなテクニックを学ぶ姿勢は大切です。しかし、思うように女性を感じさせることができない男性にまず必要なのは、コペルニクス的発想の転換なのです。
(2007.10.26紙面掲載)

スローセックス実践講座(9)女性を絶叫させる“Tスポット”

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スローセックス実践講座 中高年の男性を観察していて気が付くのは、ペニスの挿入こそがセックスのすべてと考えている人がとても多いことです。このような、いわばペニス至上主義の男性にぜひともアドバイスしたいのは、女体に秘められた“指でなければ愛せない性感帯”の存在を知ることで、セックスは今までの何倍も刺激的で官能的な行為に進化しますよ、ということ。

 そこで今回紹介するのが、私がGスポット研究の過程で発見した“T(徳永)スポット”です。Tスポット愛(あい)撫(ぶ)は、比較的簡単なテクニックにもかかわらず、その快感はGスポットをはるかにしのぐ魔法のようなテクニックです。実際、「一度もイッたことがない」という女性を、何十人も天国に導いてあげました。

 スクールで奨励しているTスポット愛撫は、Gスポット愛撫からの移行手順です。あおむけ寝の女性の膣に、人さし指と中指の2本を、手のひらを上にして根本まで挿入して、第二関節を恥骨側に折り曲げたとき指腹があたる部分がGスポットです。

 ここから、挿入した指を恥骨に押し当てたまま、恥骨に対して並行になるように真っすぐに伸ばして最深部まで挿入します。このとき、指先が当たる部分がTスポットです。Gスポットとは、愛撫する方向が、“90度変わる”ことに注意してください。力を加える方向が90度変わりますので、必然的にポジショニングも、Gスポットとは変わってきます。

 Gスポットの場合は、いわゆるM字開脚した女性の股の間に男性はポジションをとりました。ここからTスポット愛撫へ移行します。指は膣に挿入したまま、M字になっている女性の脚をまっすぐに伸ばします。そして男性はひざ立ちになって女性の右脚をまたぎます。次に、指が抜けないように注意しながら、女性の左足を左手で抱えるようにして、女性のカラダを反時計回りに90度回転させて横向きにします。最後に、男性がまたいでいる女性の右脚は真っすぐに伸ばしたままの状態で、回転させて上になった左脚を“くの字型”に折り曲げます。

 この体勢がTスポット愛撫に最も適した形なのです。愛撫のキーワードはGスポットと同じく“振動”です。指・手の甲・上腕が一直線になった状態をキープして、腕を高速に前後運動させて指先でTスポットを刺激します。ピストン運動による摩擦ではなく、あくまでも、小刻みな前後動作で振動を発生させることがポイント。

 男性目線でいえば、膣の内側から外側(陰毛方向)に突くようなイメージで、振動を与えてください。言葉で説明すると難しそうですが、初級者でもコツさえつかめば、簡単に女性を絶叫させることができます。(2007.11.02紙面掲載)

スローセックス実践講座(10)愛撫は舌と指のどちら?

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スローセックス実践講座 まず、皆さんに質問です。貴方は、女性を愛撫するとき、指と舌(口)のどちらをメーンにしていますか? 恐らく過半数の男性が、「舌派」と答えるのではないでしょうか?

 確かに、乳首やクリトリスを自分の舌で味わいたいと思うのは、健全な男性の証です。また、既存のセックス指南書などで、さまざまな舌技が紹介されている現状を考えれば、世の男性の愛撫がオーラルセックスに偏ってしまうのは、無理からぬ話かもしれません。

 しかし、皆さんが「これが普通」と信じて疑わない、既存のセックスの常識は、スローセックスでは非常識なことだらけなのです。

 性感帯を愛撫するときに、最優先すべきメソッドは、“的確なポイントに、適切な刺激を安定して供給する”ことです。女性を喜ばせることを第一に考えたとき、指と舌のどちらが愛撫にふさわしいかは、比較するまでもなく明白ですよね。舌派の男性には、指の方が舌よりもはるかに“器用”である、という一般常識が抜け落ちているのです。

 指に勝る武器はありません。この、もしもセックスの教科書があれば、1ページ目に書かれてしかるべき基本が、経験豊富な中高年の男性たちにも浸透していないのは、やはりこれまで、正しいセックスを教える書物が出版されていなかったことの裏返しでしょう。

 誤解のないように断っておきますが、私は、オーラルセックスがダメだと言っているのではありません。とりわけ、フェラチオやクンニリングスには、物理的刺激のほかにも、視覚的に興奮する要素があり、これはこれで巧みな舌使いが要求される素晴らしい“愛情表現”です。しかし、舌先では正確にポイントをとらえることが難しいですし、舌腹は男性が思っている以上にザラザラしていて荒いため、乱雑で緩慢な愛撫にしかならないのです。

 少々うがった目で見れば、オーラル多用の現状は、女性を喜ばせることよりも、自分が楽しみたい気持ちを優先させてしまう、男性のエゴの表出でしょう。もちろん、人間がセックスをするのは性欲という本能があるからです。けれども、本当のテクニシャンを目指すなら、ある程度の“本能の制御”は必須課題であるという事実も知っていて損はありません。

 乳首に吸い付きたい、アソコをなめたいという男性の気持ちはわかりますが、オーラルに一生懸命になり過ぎて、肝心のアダムタッチがおろそかになっては元も子もありません。

 私のスクールでは、受講1回目で、「愛戯は指、愛情表現は舌(口)」と教えています。指と舌の長所と利点を把握した上で、上手に複合できるようになるのが理想です。



スローセックス実践講座1


スローセックス実践講座(1)―テクニックより思いやり、やさしさで

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セックス実践講座 私が日本初となるセックススクールを、東京・六本木に開校して約3年がたちました。開校以来、予約3カ月待ちの状態が続いていますが、受講を希望される人の大半は、みなさんと同世代の、中高年の方々です。

 体力の衰えや、セックスレスの危機という不安や悩みに直面する世代だけに、私の提唱するスローセックスへの関心が高まるからでしょう。

 一方で、受講生の中には20代の若い男性もいらっしゃいます。彼らの多くはセックス経験が少なく、「セックスを学んで自信を付けたい」という人たち。

 では、この父息子ほど年の離れた両者にセックステクニックの違いがあるかというと、実は私から見れば、ほとんど差はないのです。

 愛撫が強すぎる、自分が気持ちよくなることが最優先、興味の対象はテクニックのことばかり…、と共通点を数え上げればありません。恥を忍び、意を決して当スクールを訪れた受講生たちの名誉のためにも言いますが、簡単な日本語で言えば、ほとんどすべての日本人男性がセックス下手なのです。

 では、“下手の本質”は何か?

 それは、品格がないということです。最近、若者たちのモラルの低下がことさらマスコミなどで取り上げられます。果たして日本のモラルハザードは若者だけの話でしょうか? 電車に乗れば、流行(はや)りの着メロを大音量で流し、大声で携帯電話で話すオジサンや、お年寄りや赤ちゃんを抱えた若いお母さんが前に立っても席を譲ろうとしないオジサンを日常的に目撃します。

 セックスにおいて、テクニックよりも大切なことは、女性への思いやりや気配り、そして優しさなのです。日常生活とベッドの上は違うという反論も聞こえそうですが、プロスポーツ選手や舞台役者が、一流と呼ばれてなお練習や稽古で日常的に汗を流すのは、普段の練習でできていないことが試合や本番でできるわけがないことを知っているからです。

 ガサツで乱暴な男性とセックスしたいと思う女性などいません。それは、われわれ男性が、電車の中で平気で化粧を直したり、足をだらしなく開いて座っている女性を見て、なんらムラムラこないことと同じです。

 男性が頭にたたき込んでおくべき真実は、女性は“興奮モードの前に必ずリラックスモードを経由する”という、男性とは異なる女性の性メカニズムです。つまり女性は、相手が夫でも、その日初めて会った男性でも、「この人なら安心して身を任せられる」と判断して初めて、理性解除のカギを男性に渡すのです。

 セックスとは、男女のエゴがむき出しになる非日常です。しかし、むき出しになるほど、相手を思いやる心やマナーなど、建前ではない本質的な人間の品格が試されるのです。

スローセックス実践講座(2)―超ソフトタッチをマスターしよう

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アダムタッチをマスターしよう 前回、セックスには品格が必要といいました。日々、セックススクールでさまざまな男性たちと触れ合って思うことは、年齢や肩書や社会的地位に関係なく、品格のある男性は、セックスも上手だということです。

 しかし、品格とは、ただいたずらに年を重ねただけで身に付くものではありません。品格とはいかなるものか?

 明治大学教授の穴田義孝氏は、著書『知的大人になるためのことわざ社会心理学―日本の常識・「日本人道」を極める』の中でこう説いています。

 「〈知識〉は溜まって〈知恵〉となり、使いこなして〈知性〉になる。その集積が〈品性〉へと繋がる」と。正しい知識を知ることが、品格あるセックスへの第一歩となるという点で、全く同感です。

 そこで今回は、スローセックスの根幹を成すフィンガーテクニックである、“アダムタッチ”をご指南したいと思います。

 まず、手のひらを肌から水平に2センチ浮かせた位置から、5本の指先だけを肌の上にそっと置いてください。これがアダムタッチを行う際の基本の手の形になります。この基本形をキープしたまま、大きな楕(だ)円(えん)運動を描くように性感帯を愛(あい)撫(ぶ)していくのですが、実践の際に厳守しなければならない基本ルールが2つあります。それが、タッチ圧とスピードです。タッチ圧は、“指先が肌に触れるか触れないか”の超ソフトタッチを心掛けてください。

 一般男性の多くが、自身のマスターベーションの経験則やAVなどから「女性も強い刺激ほど感じる」と考えていますが、これが大間違い。強いとは真逆の“微弱”な愛撫こそ、女性の性感帯に理想的な刺激を供給するのです。次にスピードですが、適正速度は“秒速3センチ”。実際にやってみると、かなり遅く感じるはずです。しかし、このじれったくなるほどゆったりしたスピードこそ、物理的刺激を性的刺激へと変換する特性を持つ女性脳にフィットした速度なのです。

 これまで貴方が行ってきた愛撫の仕方と、大きく違いませんか? 受講生たちも、今までの“強く早過ぎた自己流”との違いに戸惑い、「使いこなす」までには相当に時間を要する方もいらっしゃいます。けれども、奥さんや彼女の反応を確かめながら、アダムタッチを極めていく過程で、いかにこれまでのセックスが自己中心的であったかを思い知り、過去の反省も含めて、男性の品格には不可欠な、女性を思いやる気持ちがはぐくまれていくのです。(2007.09.14紙面掲載)

スローセックス実践講座(3)挿入のみがセックスにあらず

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スローセックス実践講座 ある統計によれば、日本人の成人男性の約8割が、勃起力に関する何らかの不安を抱えているといいます。中高年にとって勃起力の衰えは、男の沽券を脅かす大問題です。股間に凛々(りり)しくそびえ立つペニスが、“男らしさ”の象徴としてインプットされていることを私は否定しません。けれども、「おれだって若いころは…」と自信喪失したり、AV男優のタフな腰使いに劣等感を覚える男性たちを見るにつけ、世の中にはびこる無知で稚拙なセックス観に、苦言を呈せずにはいられないのです。

 一般男性のほとんどが、“セックス=挿入”と考えています。俗っぽい言い方をすれば、男とは「入れて出したい」生き物なのです。何を今さらそんな当たり前のことを、と思われるでしょうか? では、私が、もっと当たり前のことを言いましょう。本当に気持ちいいセックスとは、男女がお互いに快感をむさぼるセックスです。女性がまだ十分に満足していないのに、射精で終わってしまうセックスは、男の性欲処理に過ぎないということです。

 女性が満足できない程度ならまだましで、挿入による苦痛を訴える女性が非常に多いのが今のセックスの現状です。「多少前戯が不十分でも、女は“激しくピストン運動”すれば気持ちよくなる」と、思い上がりにもほどがある誤解をしている男性がいかに多いことか。

 では、どうすれば女性を体の芯から官能させることができるか? それは、女性の全身を隅々まで愛撫してあげることです。前回伝授したアダムタッチで、女性の肌に触れるか触れないかの絶妙で微細な愛撫を施してあげましょう。

 まず女性をうつぶせにして腰や背中を中心に15分、その後、あおむけにして15分。トータル30分以上を最初の目標にしてください。ゆったりと時間をかけて、背中、腰、お尻、鎖骨、腕、足など、女性がこれまで触れられたことのない性感帯を丹念に愛撫することで、女体は本来のみずみずしい性感を蘇らせます。

 ただ感じさせるだけではなく、同時に女性の感度をアップさせるのが、アダムタッチが従来のテクニックと一線を画す点です。実戦でのコツは、乳首とクリトリスにすぐに触れないこと。優秀な性感帯ほど、じらすことで、さらに高感度な性感帯へと進化していきます。「お願い触って」と懇願されても、触らないくらいの余裕が男をあげる秘訣です。

 世の男性が本当に気にしなければならない男の沽券とは、勃起力でも強靱な腰でも、ましてや大きなペニスでもなく、女性に本当の快感を味わわせてあげることなのです。勃起力のピンチを、スローセックスに学び、本当のセックスを知るチャンスに変えてください。

スローセックス実践講座(4)圧迫と振動が性感を開花

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スローセックス実践講座 老いも若きも、男性はオッパイが大好きです。けれども、皆さんが正しいと信じて疑わない愛撫法は、間違いの巣窟です。とかく、一般男性の愛撫は、“もむ”という行為に比重が偏りすぎています。

 しかし、乳房の脂肪には神経がないため、“もむ”という刺激だけではほとんど快感には転化されません。女性たちの、「わしづかみされても本当は痛いだけ」、「谷間に顔を埋めて悦に入ってるときの自己満顔は、正直ヒク」といった心の叫びを右から左に受け流し、もんでもんでまたもんで…。

 これが、“本能に毛が生えた程度”のテクニックの実態です。今まで、誰も言ってこなかったことですが、テクニシャンを目指すうえで重要なメソッドは、本能から一歩距離を置くことなのです。

 では、正しい乳房愛撫法を指南しましょう。キーワードは“圧迫”です。ほとんどの男性は気づいていませんが、乳房には、隠れた名店的性感帯が存在します。それが、脇の下と乳首を結ぶ幅5センチのライン上のゾーンの下に眠る“胸筋”です。ここを、中指と人さし指の2本の指腹で、皮膚を1―2センチほど押し込むように、軽く圧迫しながら、小さな円を描くように愛撫してください。

 この時、他の3本の指は乳房に自然に添えるだけで、手のひら全体で乳房を優しく包み込むようにしてください。もむだけではほとんど快感を受信しなかったオッパイが、生まれ変わったように生き生きと快感を受信するようになります。これが、ほとんどの男性が知らない、本当に正しいオッパイのもみ方なのです。

 また、胸筋には、バイブレーション(振動)愛撫法も有効です。中指と薬指を直角に曲げて、先述したゾーンに対して垂直に、指先でリズミカルな振動を与えてください。ポイントは脂肪を振動させるのではなく、手の重みを利用して指先を1センチ程度押し込むようにして、脂肪の下にある筋肉に振動を発生させること。女性は、未体験のみずみずしい快感に感動を覚えるでしょう。

 以上のテクニックを実践するには、“もみたい”という本能の制御が不可欠です。実は、若い男性の場合、同じテクニック指南をしても、スクールではできたことが、彼女には生かされないことが多いのです。頭では理解できても、いざとなると本能に負けてしまうのですね。

 さまざまな人生経験を積み、本能をコントロールできる素養と精神力を身に付けた中高年の皆さんなら、必ずや間違いテクニックと決別して、奥さんを悦ばせていただけるものと信じています。

スローセックス実践講座(5)本当に正しいGスポット愛撫法

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 “Gスポット”は、男性ならば誰もがその名前を知っている有名な膣内性感帯です。にもかかわらず、正確な位置を知っている一般男性はほとんどいません。ましてや正確に愛(あい)撫(ぶ)できる男性となると、限りなく皆無に等しいというのが、今の残念な実態です。

 その最大の原因は、たびたび男性誌や週刊誌などで、Gスポットの特集が組まれているものの、“潮吹きスポット”とか“昇天のツボ”などと扇情的なキャッチコピーが躍るだけで、肝心の愛撫法は間違いだらけだからです。

 今回は、カップルを不幸にする間違いの連鎖に終止符を打つために、Gスポットの正しい愛撫法をレクチャーしたいと思います。

 まずは正確な位置の探し方から。
 (1)仰向けの女性に、手のひらを上に向けて人さし指と中指をまっすぐにそろえて、膣に平行にゆっくりと挿入します。
 (2)指が根本まで入ったら、指の第二関節を直角に折り曲げて恥骨に指腹を圧し当てます。この時、指先が当たっている部分がGスポットです。

 ほとんどの一般男性は、Gスポットは膣壁にあると思っていますが、この誤解が、Gスポットを発見できない最大の原因です。今説明したように、Gスポットは膣壁ではなく、膣壁を指で恥骨側に圧したときに指先が当たる“恥骨”こそ、本当のGスポットなのです。

 ですから、ちまたであたかも本当のように言われている、“ペニスでGスポットを突く体位”など、90度に折れ曲がっているペニスの持ち主でもない限り不可能だということです。

 次に愛撫法ですが、キーワードは、恥骨への“バイブレーション”です。

 (3)指腹でGスポットをグッと圧迫してパッと離す。この圧して離す“オンオフ運動”を、高速に繰り返し、恥骨に振動を発生させる。具体的には、指の第二関節を支点に、3―4センチ幅で指先を振幅させてください。

 AV男優の手の動きから、膣壁を指先でかき出すイメージを持たれている男性が非常に多いのですが、完全な誤りです。膣を傷つける恐れがあるので、絶対にしてはいけません。声を大にして言いますが、AV男優のテクニックは、潮を吹かせる技術であり、それは決して、女性を気持ちよくさせる技術とイコールではないということです。

 誤情報をリセットして、そして愛する女性の体を大切に扱うという気持ちを忘れずに、正しいGスポット愛撫で、愛と官能を深めていってください。