2013年3月28日木曜日

スローセックス実践講座1


スローセックス実践講座(1)―テクニックより思いやり、やさしさで

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
セックス実践講座 私が日本初となるセックススクールを、東京・六本木に開校して約3年がたちました。開校以来、予約3カ月待ちの状態が続いていますが、受講を希望される人の大半は、みなさんと同世代の、中高年の方々です。

 体力の衰えや、セックスレスの危機という不安や悩みに直面する世代だけに、私の提唱するスローセックスへの関心が高まるからでしょう。

 一方で、受講生の中には20代の若い男性もいらっしゃいます。彼らの多くはセックス経験が少なく、「セックスを学んで自信を付けたい」という人たち。

 では、この父息子ほど年の離れた両者にセックステクニックの違いがあるかというと、実は私から見れば、ほとんど差はないのです。

 愛撫が強すぎる、自分が気持ちよくなることが最優先、興味の対象はテクニックのことばかり…、と共通点を数え上げればありません。恥を忍び、意を決して当スクールを訪れた受講生たちの名誉のためにも言いますが、簡単な日本語で言えば、ほとんどすべての日本人男性がセックス下手なのです。

 では、“下手の本質”は何か?

 それは、品格がないということです。最近、若者たちのモラルの低下がことさらマスコミなどで取り上げられます。果たして日本のモラルハザードは若者だけの話でしょうか? 電車に乗れば、流行(はや)りの着メロを大音量で流し、大声で携帯電話で話すオジサンや、お年寄りや赤ちゃんを抱えた若いお母さんが前に立っても席を譲ろうとしないオジサンを日常的に目撃します。

 セックスにおいて、テクニックよりも大切なことは、女性への思いやりや気配り、そして優しさなのです。日常生活とベッドの上は違うという反論も聞こえそうですが、プロスポーツ選手や舞台役者が、一流と呼ばれてなお練習や稽古で日常的に汗を流すのは、普段の練習でできていないことが試合や本番でできるわけがないことを知っているからです。

 ガサツで乱暴な男性とセックスしたいと思う女性などいません。それは、われわれ男性が、電車の中で平気で化粧を直したり、足をだらしなく開いて座っている女性を見て、なんらムラムラこないことと同じです。

 男性が頭にたたき込んでおくべき真実は、女性は“興奮モードの前に必ずリラックスモードを経由する”という、男性とは異なる女性の性メカニズムです。つまり女性は、相手が夫でも、その日初めて会った男性でも、「この人なら安心して身を任せられる」と判断して初めて、理性解除のカギを男性に渡すのです。

 セックスとは、男女のエゴがむき出しになる非日常です。しかし、むき出しになるほど、相手を思いやる心やマナーなど、建前ではない本質的な人間の品格が試されるのです。

スローセックス実践講座(2)―超ソフトタッチをマスターしよう

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
アダムタッチをマスターしよう 前回、セックスには品格が必要といいました。日々、セックススクールでさまざまな男性たちと触れ合って思うことは、年齢や肩書や社会的地位に関係なく、品格のある男性は、セックスも上手だということです。

 しかし、品格とは、ただいたずらに年を重ねただけで身に付くものではありません。品格とはいかなるものか?

 明治大学教授の穴田義孝氏は、著書『知的大人になるためのことわざ社会心理学―日本の常識・「日本人道」を極める』の中でこう説いています。

 「〈知識〉は溜まって〈知恵〉となり、使いこなして〈知性〉になる。その集積が〈品性〉へと繋がる」と。正しい知識を知ることが、品格あるセックスへの第一歩となるという点で、全く同感です。

 そこで今回は、スローセックスの根幹を成すフィンガーテクニックである、“アダムタッチ”をご指南したいと思います。

 まず、手のひらを肌から水平に2センチ浮かせた位置から、5本の指先だけを肌の上にそっと置いてください。これがアダムタッチを行う際の基本の手の形になります。この基本形をキープしたまま、大きな楕(だ)円(えん)運動を描くように性感帯を愛(あい)撫(ぶ)していくのですが、実践の際に厳守しなければならない基本ルールが2つあります。それが、タッチ圧とスピードです。タッチ圧は、“指先が肌に触れるか触れないか”の超ソフトタッチを心掛けてください。

 一般男性の多くが、自身のマスターベーションの経験則やAVなどから「女性も強い刺激ほど感じる」と考えていますが、これが大間違い。強いとは真逆の“微弱”な愛撫こそ、女性の性感帯に理想的な刺激を供給するのです。次にスピードですが、適正速度は“秒速3センチ”。実際にやってみると、かなり遅く感じるはずです。しかし、このじれったくなるほどゆったりしたスピードこそ、物理的刺激を性的刺激へと変換する特性を持つ女性脳にフィットした速度なのです。

 これまで貴方が行ってきた愛撫の仕方と、大きく違いませんか? 受講生たちも、今までの“強く早過ぎた自己流”との違いに戸惑い、「使いこなす」までには相当に時間を要する方もいらっしゃいます。けれども、奥さんや彼女の反応を確かめながら、アダムタッチを極めていく過程で、いかにこれまでのセックスが自己中心的であったかを思い知り、過去の反省も含めて、男性の品格には不可欠な、女性を思いやる気持ちがはぐくまれていくのです。(2007.09.14紙面掲載)

スローセックス実践講座(3)挿入のみがセックスにあらず

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
スローセックス実践講座 ある統計によれば、日本人の成人男性の約8割が、勃起力に関する何らかの不安を抱えているといいます。中高年にとって勃起力の衰えは、男の沽券を脅かす大問題です。股間に凛々(りり)しくそびえ立つペニスが、“男らしさ”の象徴としてインプットされていることを私は否定しません。けれども、「おれだって若いころは…」と自信喪失したり、AV男優のタフな腰使いに劣等感を覚える男性たちを見るにつけ、世の中にはびこる無知で稚拙なセックス観に、苦言を呈せずにはいられないのです。

 一般男性のほとんどが、“セックス=挿入”と考えています。俗っぽい言い方をすれば、男とは「入れて出したい」生き物なのです。何を今さらそんな当たり前のことを、と思われるでしょうか? では、私が、もっと当たり前のことを言いましょう。本当に気持ちいいセックスとは、男女がお互いに快感をむさぼるセックスです。女性がまだ十分に満足していないのに、射精で終わってしまうセックスは、男の性欲処理に過ぎないということです。

 女性が満足できない程度ならまだましで、挿入による苦痛を訴える女性が非常に多いのが今のセックスの現状です。「多少前戯が不十分でも、女は“激しくピストン運動”すれば気持ちよくなる」と、思い上がりにもほどがある誤解をしている男性がいかに多いことか。

 では、どうすれば女性を体の芯から官能させることができるか? それは、女性の全身を隅々まで愛撫してあげることです。前回伝授したアダムタッチで、女性の肌に触れるか触れないかの絶妙で微細な愛撫を施してあげましょう。

 まず女性をうつぶせにして腰や背中を中心に15分、その後、あおむけにして15分。トータル30分以上を最初の目標にしてください。ゆったりと時間をかけて、背中、腰、お尻、鎖骨、腕、足など、女性がこれまで触れられたことのない性感帯を丹念に愛撫することで、女体は本来のみずみずしい性感を蘇らせます。

 ただ感じさせるだけではなく、同時に女性の感度をアップさせるのが、アダムタッチが従来のテクニックと一線を画す点です。実戦でのコツは、乳首とクリトリスにすぐに触れないこと。優秀な性感帯ほど、じらすことで、さらに高感度な性感帯へと進化していきます。「お願い触って」と懇願されても、触らないくらいの余裕が男をあげる秘訣です。

 世の男性が本当に気にしなければならない男の沽券とは、勃起力でも強靱な腰でも、ましてや大きなペニスでもなく、女性に本当の快感を味わわせてあげることなのです。勃起力のピンチを、スローセックスに学び、本当のセックスを知るチャンスに変えてください。

スローセックス実践講座(4)圧迫と振動が性感を開花

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座
スローセックス実践講座 老いも若きも、男性はオッパイが大好きです。けれども、皆さんが正しいと信じて疑わない愛撫法は、間違いの巣窟です。とかく、一般男性の愛撫は、“もむ”という行為に比重が偏りすぎています。

 しかし、乳房の脂肪には神経がないため、“もむ”という刺激だけではほとんど快感には転化されません。女性たちの、「わしづかみされても本当は痛いだけ」、「谷間に顔を埋めて悦に入ってるときの自己満顔は、正直ヒク」といった心の叫びを右から左に受け流し、もんでもんでまたもんで…。

 これが、“本能に毛が生えた程度”のテクニックの実態です。今まで、誰も言ってこなかったことですが、テクニシャンを目指すうえで重要なメソッドは、本能から一歩距離を置くことなのです。

 では、正しい乳房愛撫法を指南しましょう。キーワードは“圧迫”です。ほとんどの男性は気づいていませんが、乳房には、隠れた名店的性感帯が存在します。それが、脇の下と乳首を結ぶ幅5センチのライン上のゾーンの下に眠る“胸筋”です。ここを、中指と人さし指の2本の指腹で、皮膚を1―2センチほど押し込むように、軽く圧迫しながら、小さな円を描くように愛撫してください。

 この時、他の3本の指は乳房に自然に添えるだけで、手のひら全体で乳房を優しく包み込むようにしてください。もむだけではほとんど快感を受信しなかったオッパイが、生まれ変わったように生き生きと快感を受信するようになります。これが、ほとんどの男性が知らない、本当に正しいオッパイのもみ方なのです。

 また、胸筋には、バイブレーション(振動)愛撫法も有効です。中指と薬指を直角に曲げて、先述したゾーンに対して垂直に、指先でリズミカルな振動を与えてください。ポイントは脂肪を振動させるのではなく、手の重みを利用して指先を1センチ程度押し込むようにして、脂肪の下にある筋肉に振動を発生させること。女性は、未体験のみずみずしい快感に感動を覚えるでしょう。

 以上のテクニックを実践するには、“もみたい”という本能の制御が不可欠です。実は、若い男性の場合、同じテクニック指南をしても、スクールではできたことが、彼女には生かされないことが多いのです。頭では理解できても、いざとなると本能に負けてしまうのですね。

 さまざまな人生経験を積み、本能をコントロールできる素養と精神力を身に付けた中高年の皆さんなら、必ずや間違いテクニックと決別して、奥さんを悦ばせていただけるものと信じています。

スローセックス実践講座(5)本当に正しいGスポット愛撫法

彼女と奥さんを惚れ直させるスローセックス実践講座

 “Gスポット”は、男性ならば誰もがその名前を知っている有名な膣内性感帯です。にもかかわらず、正確な位置を知っている一般男性はほとんどいません。ましてや正確に愛(あい)撫(ぶ)できる男性となると、限りなく皆無に等しいというのが、今の残念な実態です。

 その最大の原因は、たびたび男性誌や週刊誌などで、Gスポットの特集が組まれているものの、“潮吹きスポット”とか“昇天のツボ”などと扇情的なキャッチコピーが躍るだけで、肝心の愛撫法は間違いだらけだからです。

 今回は、カップルを不幸にする間違いの連鎖に終止符を打つために、Gスポットの正しい愛撫法をレクチャーしたいと思います。

 まずは正確な位置の探し方から。
 (1)仰向けの女性に、手のひらを上に向けて人さし指と中指をまっすぐにそろえて、膣に平行にゆっくりと挿入します。
 (2)指が根本まで入ったら、指の第二関節を直角に折り曲げて恥骨に指腹を圧し当てます。この時、指先が当たっている部分がGスポットです。

 ほとんどの一般男性は、Gスポットは膣壁にあると思っていますが、この誤解が、Gスポットを発見できない最大の原因です。今説明したように、Gスポットは膣壁ではなく、膣壁を指で恥骨側に圧したときに指先が当たる“恥骨”こそ、本当のGスポットなのです。

 ですから、ちまたであたかも本当のように言われている、“ペニスでGスポットを突く体位”など、90度に折れ曲がっているペニスの持ち主でもない限り不可能だということです。

 次に愛撫法ですが、キーワードは、恥骨への“バイブレーション”です。

 (3)指腹でGスポットをグッと圧迫してパッと離す。この圧して離す“オンオフ運動”を、高速に繰り返し、恥骨に振動を発生させる。具体的には、指の第二関節を支点に、3―4センチ幅で指先を振幅させてください。

 AV男優の手の動きから、膣壁を指先でかき出すイメージを持たれている男性が非常に多いのですが、完全な誤りです。膣を傷つける恐れがあるので、絶対にしてはいけません。声を大にして言いますが、AV男優のテクニックは、潮を吹かせる技術であり、それは決して、女性を気持ちよくさせる技術とイコールではないということです。

 誤情報をリセットして、そして愛する女性の体を大切に扱うという気持ちを忘れずに、正しいGスポット愛撫で、愛と官能を深めていってください。

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